富士山の頂をめざして(後編)
(前編はこちら)
八合目〜本八合目〜九合目

仮眠して準備をしている時に、何やら不穏な情報を耳にする。
「天候悪くて日の出はほぼ見られない。雨も本降りになりそうだから下山は大変かも」
正直かなりショックだったけど、こればっかりは僕らにはどうしようもない。
早々に、日の出を見ることよりも無事登頂することに目標を切り替えて0時過ぎにいざ出発。
(僕は完全に諦めていたけど、他の3人は淡い希望を持っていたらしいw)

暗闇の中、ヘッドライトの灯りだけで岩場を登るのはなかなか怖い。
スマホでは何も撮れないから写真ないけどアドベンチャー感満載。
怪我しないように着実にゆっくり歩みを進める。この時点で疲れはなし。
*
途中から黒い雨雲が増えてきて、雨が少し降り出してきた。
宿で情報を聞いてたから、しっかりレインウェアとザックカバーを仕込んでいたので問題なし。
しかし、九合目に到達するあたりでまさかの雹(ひょう)ww
そこそこの粒の大きさだから結構痛いww
下界の猛暑もなんのその、さすが富士山だ。
*
山頂(久須志神社)

無事山頂に到達するも、霧が立ち込める悪天候のコンディンション。
しかも恐ろしく寒くて、フリース含めて5枚くらい重ね着しても寒い…

というわけで伝家の宝刀、カップヌードル!!!
うますぎて泣ける…
*
お鉢巡り〜剣ヶ峰
程よく身体が温まったところで剣ヶ峰を目指しつつ、山頂一周へ。


この時点で時折ヒャダルコみたいな冷たい突風が吹き、遠くで雷が眩い光をちらつかせる。

分厚い霧の中をヘッドライト一つで進んでいく。
なんかもう最終ダンジョンの暗黒大陸みたいな雰囲気。
実は早々に道を間違えて本来時計と逆回りのところを左回りにすすんでたから、
ほとんど周りに登山客がいないから余計に恐怖感増す。
*
そうこうしてるうちに剣ヶ峰手前、今まで全く火口の姿がなかったのに、急に霧が晴れて姿を表すという奇跡。

ラスボスが出現する演出か…(違)

雲は多いけど少しずつ明るくなってくる…
太陽は偉大…

そして目前に迫った剣ヶ峰。
この最後の急坂は試練だけど、もはやそれ以上のアドレナリンが出ててほぼ無心に登ってた気がする。
*
剣ヶ峰(3,776m)

ふと振り返るとなんだかその道のりが急に恋しくなったりもする。

ということで、到達!!!!!!!!!!
もちろん記念写真といえばここ。
感無量というよりも、一歩一歩着実に歩みを進めて目標へ到達することの大事さと、
悪天候予想からの山頂晴れという持ち前の運の巡り合わせ。
なんだかじんわり痺れました。


それにしても初めて見る富士山の火口は殺風景に見えるかもしれないけど、なかなか迫力があって良き。
*

その後はゆっくり残りのお鉢巡り。

明るくなってくると素晴らしい景色があって、そこはまさに暗黒世界が溶けた天上世界でした。
*
下山(山頂〜富士スバルライン五合目)
山頂で少し休んでから朝7時半くらいに下山開始。
しかしここからが本当の山の厳しさ。いや、富士山の厳しさではなかろうか。

この写真だけを見たらさぞかし最高の景色を見ながら、気持ちよく一本道を下るだけ。
そう思われるかもしれない。
しかし。
この登山で一番の難所は下山だと思う。
というかもう辛すぎてただただ無心に一歩を踏み出すしかなかった。
もちろん慣れない登山の疲れもあるけれど、それ以上に足を取られる砂利道の足腰への負担、
ずっと単調で変わらない景色、下れば下るほど予想通りの雨。
いやーこれ本当にキツかった。
まさに修行。いや、苦行。
高齢者や小さい子どもたちが平然と歩みを進めているのに感心した。
結果的に3時間半くらいで五合目まで降り切ったけど、正直ヘロヘロでよく覚えてない。
これから富士山登りたい方、下山の余力をしっかり残しておきましょう。
下山するまでが登山です。
*
というわけで最後は近くの温泉で疲れを癒して帰路。

今回、富士山を登るだけの即席パーティーだったわけだけど、かなり良いメンバーだったな。
なんというかバランスが最高だった。
みんなありがとう。
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